どうしてAIRNovel?

ゲーム制作を始めた頃は

「wysでゲームを作ろう!」となったときは、AIRNovelではなく、LiveMakerを使っていました。
その名残で、wysの第1作「LiLyE〜狭界図書館〜 epic of "Cyprus"」はLiveMaker製の物も公開しています。

どうしてツールにLiveMakerを選んだのかといいますと、初心者が取りかかるにはわかりやすかったんです。吉里吉里やNScripterにも挑んでみたのですが、さっぱりで。もうね、「Hello World」を表示するところにすらたどり着けない有様でした。

LiveMakerでゲームを作っていたわけですが、色々と機能をつけていく中で、「面倒くさい」という思いが強くなりました。
何故かといいますと、ひたすらマウス操作が必要になるんです。
条件分岐をさせるにもマウス、変数をいじろうとしてもマウス。ちょっとキーボードを触っては、マウスに手を出し、それが面倒で仕方なかったんです。
私には、スクリプトを打ち込む形式の方が合っていたんでしょうね。

また、LiveMakerにはちょっとした分岐がしにくい、という難点がありました。
「LiLyE〜狭界図書館〜 epic of "Cyprus"」ではクリア後のおまけで、代名詞が何のことなのかをわかるようにして表示する、ということをしているのですが、おまけからの時は表示してそうでない時は表示しないということをポツポツ入れていくことができませんでした。
そこで、ほぼ同じ物を2つずつ作りました。こちらも、私にとっては面倒な事でした。

これらのLiveMakerの使用感は、2010年の私が触っていた頃の物です。ですので、今では改善されているかもしれません。

AIRNovelに挑んだ理由

LiveMakerで制作したのに、どうしてAIRNovelに挑んだのか? 面倒くさいと思っていたところを解消するのであれば、吉里吉里やNScripterという有名どころに再挑戦でもよかったのではないか?

ちょうど、パソコンをMacに買い換えまして、Macでも遊べることは勿論、Macでも開発が可能なものがよかったんです。
当時、"Macでも"ということから候補に挙げたのは3つでした。
AIRNovel、Famous Writer、そしてRen­'Pyです。

Famous Writerは更新が止まっていて、Intel製CPUのMacは未対応とのことでした。
当時でもほぼ入れ替わりが終わっていて、Appleが新しいOSでは互換用のソフトの提供をやめた後でした。
その様な理由で、Famous Writerは候補から消えました。

次にRen'Pyですが、説明が英語なんですよね。
日本語で書かれていても、よくわからないような内容なのに、英語というのはよりわかりません。英語が苦手で赤点ギリギリを取ったとこもある私には、ハードルが高すぎました。

最後にAIRNovelですが、登場して間もない頃で、更新が止まっていて最新版に対応していない、などと言うことはありませんでした。むしろ、Adobe Airが私の感覚よりもかなり早く古い物を切り捨てていくくらいで。
説明も日本語です。読んでもよくわからない内容でしたが、それでも少しずつ読み解いて、手を動かせばどうにかなるかな、くらいには思えました。

「こういうことができるからやってみよう」ではなく、「これじゃあ私は挑めない」がありませんでしたので、AIRNovelを選択しました。

今はティラノスクリプトもありますが、2010年当時はまだありませんでした。

AIRNovelの魅力

Macで使えるというのは、ツール選択時の基本条件ですのでおいておきまして、あくまで、私にとっての魅力ですが、一番は"オープンソースであること"です。
そして、アプリ化する度にビルドしますので、ソースファイルを変更した物を適用する場合にいつもと違う操作をしなくてもいいことも魅力です。

「本体に変更を加えないし、オープンソースかどうかなんでどうでもいいや」その様に思いますか?
変更を加えない場合でもオープンソースであることは魅力だと思います。

こういう動作をして欲しいという理想に向けて、タグリファレンスを見ながらタグを打ち込んで、実行してみて、どうにも上手くいかないことがあります。
本体の中身がわからない場合は、タグリファレンスを見る、誰かが情報を出してくれていないか調べる、タグの打ち込みを試行錯誤する、これらでどうにかするしかありません。
ところが、本体の中身を見ることができれば、実際に本体がどのように解釈しているのかを読み解くことができます。そこにはタグリファレンス以上の情報が詰まっています。
こうなっているのだから、それならどうしようを考えることができるわけです。

本体に変更が加えられれば、もっと自由度が増えます。
タグの属性では指定できないことを、ちょっと変更して指定できるようにしたり。プラグインからでは干渉できない部分も本体に直接手を加えれば変更が可能です。
また、プラグインにするのではなく、addition_script.asに追加するタグを記入すると、プラグインにする場合以上に本体の機能を使用することができます。

なお、AIRNovelは本体に変更を加えた物を公開する場合は、ソースの公開も必要です。

他のツールを使うつもりは

ノベル系のゲームを作るのであれば、現在のところ、ありません。

他のツールでできることは、ほぼAIRNovelでも再現できると思っています。

一つのタグで表現できる物が、AIRNovelでは複数のタグを組み合わせる必要があるかもしれません。
プラグインを使用しなければいけないかもしれません。
本体にまで手を加えなければならないかもしれません。
ですが、これらのことでほとんどが再現できます。

それでも、再現できないものもあるでしょう。
それは本当にそうするしかないものなのでしょうか? 私の場合は、どうにかそこそこそれっぽくなるように考えます。
midiが鳴らない→本体に手を加えても無理そうだ→絶対にmidiでないとダメなのか?→mp3に変換しよう、という感じです。

ここまでの事って、逆を言えば「AIRNovelでできることは、大抵他のツールでも再現できる。再現できなくても、それっぽく見せることはできる。」なんですよね。
ということは、AIRNovel以外のツールの人は乗り換えなくてもいい、というお話になってしまいます。
それはそうなのですが、ここでもう少し「私がAIRNovelから乗り換えるなら」というお話を。

「AIRNovelではどうあがいても実現できないことをしたくて、実現できる別のツールがあった時」この時は躊躇なく乗り換えるでしょう。
例えば、AdobeがAIRをやめた時、この時はもうAIRNovel側ではどうしようもありませんから。
また、AdobeがサポートをやめたLinuxでも遊べるゲームを作りたいとなった時。そういう時です。
大概の事は、アイデア次第で再現できますし、AIRNovelで頑張れば習得できることを学習しましたから、躊躇する必要はありません。
逆に言うと、現在Windowsにしか対応していないツールをお使いで、Mac、iOS、Android対応をお考えの方は、AIRNovelへの移行は一考の価値ありですよ。

乗り換えるとして、ツールの候補が複数合った場合の選択ですが、自由度の高さで選ぶと思います。
本体に手を加えられない物でしたら、本体に手を加えて表現する手段は失われます。
プラグインさえ許されないような物でしたら、タグだけでの勝負になってしまいますので、どうしても幅が狭くなってしまいます。
選択しに手を出すかどうかは置いておいて、家から出ちゃいけないと言われて家にいるのと、どこへ行ってもいいと言われたけどあえて家にいるのでは、違いますよね。

AIRNovelの難点

一つはAdobe AIRで動いているということ。
Adobeがどんどん新しいOSにも対応してくれているという良い面も勿論ありますが、逆に古いOSはバンバンサポート外になっています。
ちゃんと新しくしていこうよ、と思わなくもないのですが。

一つはどんどん更新されていること。
いいことなんですけど、久しぶりに触ったら、ものすごく更新されていて、何がどうなっているのかわからない状態になってしまうこともあるんですよね。

そして、遊ぶ側の立場でインストールしないといけなくて、セーブファイルの場所がわかりにくいこと。
ダブルクリックで簡単にインストールしてはくれるのですが、.exeなり.appを起動するだけでいい場合に比べるとちょっと一手間なんですよね。
セーブファイルはアンインストールする時に勝手には消えてくれませんし、空けたい時にわかりにくいんです。

私が思う難点は、このようなところでしょうか。
人によっては、

Adobeだからな
(そこはなんともしようがありません。そんなに敵視しなくとも良いとは思うのですが。)
Flashはもう終わるだろ
(そう言われだしてから、結構経っている気もしますが、まだ新しいFlashのブラウザゲーも出てきてますし。)
重い
(容量が大きいのか、動作が鈍いのか、どちらの意味で使われているのかわかりませんが、私はそんなに感じたことはありません。)
AIRのインストールがワンステップ必要だから
(最初の頃は「RPGツクールもランタイムのインストールが必要だし」まあいいかと思いました。今は、ANBooksの様にインストール時にAIRが入っていなければ、自動でインストールするようにもできます。)
既読スキップが遅い
(作り手が自分で遅いと思っているのなら、作り手の工夫でどうにでもできますので、作り手がそこを不便だと思っていないのではないでしょうか。LiLyEのスキップは速いですよ。)
スキップ時に画面切り替えや音切り替えで、もっさりする
(こちらも、作り手が仕込んでいないだけの話です。)
スナップショットがデスクトップに溜まる
(相当な努力が必要ですが、作り手が頑張れば好きなフォルダに溜められるようにできるはず。まだ試していませんので。)

このように思われている方もいらっしゃるようですが、制作者の工夫でどうにかできる部分も多いです。